友達

AZALEA2013-07-27


節子さんが、東京から帰ってきた。彼女は、息子さんのところへ6か月前に引っ越して行った。彼女は、数多い友人に引き留められたが、「絶対にうまくいくから。私には、自信がある。」と、言い残して。でも、行って3か月半で関西に所用で帰って来た時、少し彼女の様子が変わってきていた。
関西の地を踏んだ時、「やはりここが良い。」と、何もかも懐かしく、居てもたっても居られないように、帰りたいと言っていた。そして東京から、何度となく電話がかかってきた。
「淋しいので、やはり友達の多い関西に帰りたい。」と。彼女は今年で76歳。外に出れば、なじみの薄い風景の中で、家の中では、息子夫婦が出勤し、孫たちが大学、高校に登校し、日中一人ぼっちで、することも無く時を過ごすのは、何不自由なく暮らせて行けても、不安だと言う。先日、家の中で倒れたそうだが、電話してすぐに飛んできてもらう人も無く、じっと病状が治まるまで、廊下に横たわっていたそうだ。
息子さんは良く出来た人で、何時も母親のことを案じ、気を使ってくれる。お嫁さんも、彼女の大のお気に入り。「この人とは絶対にうまくいく。」と、私達に自慢をしていた。
彼女が関西に帰りたいと息子に言うと、とても残念がって、「でもお母さんがそう望むなら、嫁を説得する。」と言って、了解してくれたそうだ。
そして、関西に住む娘たちの家のすぐ側に、一人暮らしの家を見つけてもらった。いま、娘が毎日小さな孫を3人連れて通って来ている。友達も以前のように、出入りが激しい。
明るい南向きの、お気に入りのお部屋で、「スパティフィラム」の花を買ってきて、再度一人暮らしを始めた。